2017年9月22日金曜日

チリの自然

 さて、チリの自然特集、です。チリとは、西側に太平洋、東側にはアンデス山脈がある、南北に長〜〜い国です。海、高山、平野の中には砂漠まであるわけです。この出張中には、この国の、4都市、北から、アントファガスタ、サンティアゴ、テムコ、プエルトモン、と巡ってきました。というわけで、それぞれの訪問地をご紹介。

 今回の出張は、サンティアゴについたのちに、すぐに北部アントファガスタに飛びました。
アントファガスタは、砂漠と海に挟まれた町で、銅鉱業の拠点でもあります。起伏のある砂漠がそのまま海につながっているような町。日本にいると、ちょっと考えられないような地形と雰囲気です。

 銅鉱業は、チリ第1の産業で、同じ職種でも、銅鉱業関係者は、他産業の関係者よりもお給料が良いのが歴然としているのだそう。
 移民が多く、町の中の地域によって貧富の差がはっきり分かれているのだそうです。






その町から車で10分ぐらい走った見晴らしの良い高台に連れて行っていただきました。
 なんだか、劇的な風景ですね。







この町は、古くは銀の鉱山があったそうで、その遺跡が残っています。
 古くは銀、今は銅で栄えてきた町なのですね。
 この辺りの水道水は、海水から塩分を抜いたものと、陸からなんと母つけてきた水を合わせているのだそうです。まず、雨は降らず、曇りは一年に25日、らしいのですが、この日は曇ってました!水分があまりにもないために、地衣類もほとんど生えていない、土がむき出しの土地です。街路樹などはすべて灌水しないと持たないのだそうです。

 1泊ののち、サンティアゴに飛んで一泊し、すぐに南の方にある、このプロジェクトのチリ本拠地テムコへ。



実は、今回の旅では、テムコで写真を撮りそびれてしまいました。チリは、今は冬の終わり、春夏は、緑豊かなテムコなのですが、この旅では、葉が落ちた木が多く、寂しい印象。

左の写真は、去年の11月にチリを訪ねた時、テムコから車で1時間ぐらいの郊外で撮ったものです。牧畜が盛んな地域でした。


さて、テムコにも一泊しただけで、次の日は、南の町、プエルトモンへ。こちらは車で5時間ほどのドライブです。
曇っていたのですが、時々晴れ間が見えます。写真の奥の方に見える白い小さい山は、オソルノ山という火山。この写真だとうまく見えないのですが、富士山の山頂をもう少し狭くしたような、優美な形。美しい山です。
 さすが地震大国チリ、実は、このあたり、火山が3つ並んでいるのです。一つは最近噴火して、山の上部が吹っ飛んだという話でしたが、私たちが訪ねた時にはその気配も感じられませんでした。

 プエルトモン、というのは、実は、パタゴニアと呼ばれる地域の北端にあたります。ここまでは、チリを縦断するハイウェイがつながっているのですが、プエルトモンは、その終点。チリの南部を世界地図で見ると、リアス式海岸が長くつながっているのがわかります。チリ人の表現によると、Continental Chile、つまり、南アメリカ大陸の一部にしっかりつながっているチリ国土は、ここで終わり。南に行くと、どんどん島やリアス式海岸が増えていき、陸路での旅が非常に効率悪くなるのだそうです。じつは、私たちの研究のサンプリングポイントの一つとして、南アメリカ南端に近いプンタアレナスという町が入っています。ここには、プロジェクトが本格的に始まったら、ぜひ行ってみたいのですが。。。。どんなところか想像を絶します。

 さて、プエルトモンのすぐ近くに、チロエ島という島があります。この島は、ムール貝の養殖と鮭養殖が盛んな地域で、赤潮の被害も出やすい地域。

 島、いっても、ほぼ四国ぐらいの大きさがあるとのことで、そうか、四国も島なんだなあ・・・。

 晴れ男Kさんのおかげで、この日は徹底的に良いお天気でした!
フェリーに乗って島に近づくところです。











 とにかく、緑豊かな島で、牧畜と漁業+観光で成り立っている島。
 小さなお家が多いのですが、長閑なで静かな生活ができそうな美しい島でした。






貝養殖城の近くの海水。本当に透明でびっくりしました。


このきれいな水あっての貝養殖で、ここで赤潮の被害が出たら、それは本当に大変なことだと実感。






 この町で、ずいぶん詰めた話し合いを持ち、かなりヘトヘトになってサンティアゴに移動。

 サンティアゴは、大都市です。高層ビルが立ち並び、その多くはガラス張り。
 チリは地震が多いのに。。。。と思ったのですが、チリの建造物の耐震性は定評があるのだそうです。
 比較的新しいピカピカのビルが立ち並ぶさまは、チリの現在の経済状態の良さを感じさせました。写真不足なので、この辺りは、また次にチリを訪問した時にでも。
 今後5年間、一年に2ヶ月程度は滞在することになる覚悟をしているので、逆に目の色変えて写真を撮るというモードになりませんでした。。。。

 最後に、アンデス山脈。
 サンティアゴ市内からは、アンデスが間近に見えます。空気が澄んでいる日が少なく、白っぽ画像になってしまい、残念。
 雪を頂いた峻険な山は、ほとんど神々しい。目に入るたびに感動してしまいます。今後5年間の二国間プロジェクト、どうぞ見守っていてください、と言う気分でした。










2017年9月17日日曜日

さて、帰国

 12日間のチリ滞在を終え、現在帰国途中、ロサンゼルスにおります。

 今回の旅の目的は、二国間の共同研究を含む共同研究プロジェクトを行うために、必要な連携機関に協力を依頼し、日本側も含めた各機関の役割分担を定義し、協力内容について合意を取り付け、最後にそれらを明確に文書に落とし込んだものにサインをいただく、というもの。今まで基礎科学研究にしか経験がない私たちには全くなじみのないものでした。同行者も、共同研究を行う日本側研究者3名だけではなく、JSTより2名、JICAより3名、JICAから依頼されたコンサルタントが1名、プラス研究者4名。

 誠に大変色々勉強になった旅でした。。。。

 このプロジェクト、採択されるまでの流れはびっくりするほど順調だったのです。行く先にあるドアというドアが、把手に手をかけるかかけないかのタイミングで、ぱたん、と向こうに開いてくれる感じ。なんでこんなにパタパタと上手くいくのか気味が悪い……、あ、これが人生に時たま吹くと噂に聞く『追い風』というやつね?と、納得いくまでに時間がかかりました。苦労人だもので。笑

 幸運に重なる幸運に感謝しつつ、しまいには他愛もなく『無敵』な気分になり始めていたのですが、このチリ出張=詳細策定調査の直前にチリ側でいくつもの展開があり。私たち研究者チームは、その展開の重要性もよく理解できないまま、のほほんと構えていたのですが、このテの手続きを扱うプロであるJICAとJSTの担当者皆さまは、「本当にまとまるのか?」と、ご心配くださっていたそうです。

 確かに、一山超えた、と思いきや、え、上り坂、続くの?え、まだ上り坂??という、最初から分かっていたら腰が砕けたような紆余曲折を経て、最終的にはチリ側参加機関の皆様のご承認をいただき、無事、調印式にこぎつけました。

 詳しい経過は、これを経験した本人たちにしか面白くないような長い話になりますので、割愛。
 しかし、この旅をご一緒し、何から何までお世話になった皆様については、やはりここに書き残しておきたい気がします。

 まず、旅の予定を立てる段階から、旅の途中の変更に次ぐ変更を織り込んだ書類作成改訂を一手に引き受けてくださったJICA Yさん。連日の方針決定のためのミーティング後、私たちがご飯を食べてリラックスしている時間にも、彼女は書類作成や改訂、諸機関との連絡に大忙し。調印式ですべての機関の代表者からサインをいただく最後の最後まで気の抜けない激務は側から見ていても頭が下がりました。本当に有難うございました。
 また、これまでの経験を生かして、常に淡々と穏やかに、的確に議論をリードをしてくださった同じくJICA Iさん。という表の顔からはちょっと想像がつかないお茶目なところがバレちゃったりするところは、道連れの多い長旅ならでは、です。
 6月のチリ訪問時からいろいろお世話になっているJICA Sさん。実は、彼女とSさんには、私たちが理解できていないところで、多大なご迷惑もおかけしていたということがこの旅の間に判明し、申し訳なさに冷や汗でした。とはいえ、朝ごはんを食べながらのいろいろなトピックでのおしゃべりが楽しかった。一足先に帰国された時には、ちょっと寂しかったです......

 JSTからは、A先生とKさん。A先生の長年の国際協力のご経験に基づく的確なご助言と、穏やかに明るく皆の気持ちを引き上げてくださるお人柄には、皆感服していました。A先生がいらっしゃらなかったら、今回の話はまとまらなかったと思います。そして、いつも明るいKさん。チリでの冬は雨が多く、降らずとも曇り空が多かったのですが、漁業の盛んなチロエ島に視察に行く時に晴れたのは、『後から申告晴れ男』の彼のおかげです。笑 冗談はさておき、A先生とKさんは、国際共同研究のセットアップ部分である調査に多くの経験がおありで、いろいろなお話を伺えたのは本当に勉強になりました。Kさんには、今後、研究開始までの「詰め」段階でさらにお世話になります。どうぞよろしくお願いします。

 そして、異色のキャラ、JICAより依頼されて同行してくださった、コンサルタントのTさん。世界の国歌マニアだそうで、異なる言語間比較ネタからスポーツネタまで、な、なんでそんな情報がスラスラ出てくるの?という引き出しの多さと、造詣の深さは特筆ものです。

 最後に、フツーに大学教員していたら、多分一生お世話になることもなかった、通訳のお二人。英語・スペイン語通訳のDさんは、彼自身の美学を感じさせる徹底した縁の下の力もち振りと、スムーズでわかりやすい通訳のワザとで、同行者皆の賞賛の的でした。また、最後の3日間だけお世話になった日本語・スペイン語の通訳のKさん。16歳にして通訳業についたという彼女、信頼を置かずにいられない、スムーズかつ的確な通訳振りもさることながら、幼い頃から、自分の道を進んできたパワーと、明るいながら求道的な真摯さに脱帽でした。お昼ご飯を食べながらのおしゃべりが、とても印象に残っています。

 研究者チームは、このプロジェクトのFounding members3名+研究代表と連携して、このプロジェクト開始時からチリ入りする若い研究者一名。研究者チームのキャラについては。。。。。やはりカラフルなチリ側研究者の皆さんも含めて、今後、このプロジェクトについて書くことが増えるにつれて、だんだん浮き彫りになっていくのをご期待ください。笑

 ご一緒した皆さま、本当に有難うございました。
 どうぞ、このプロジェクト、終わりまで見守っていてください。
 また日本でお目にかかれって、進捗をご報告できますことを楽しみにしています。 
 
 

 
  

2017年9月11日月曜日

3度目のチリ訪問

 さて、9月に入った途端、3度目のチリ訪問。アントファガスタ→テムコ→プエルトモント→サンティアゴ、ときて、現在サンティアゴ滞在中です。実は、本日は、チリ独立に重要なきっかけとなったクーデター記念日(!)に一番近い週末。この時期に、去年は国内過激派による爆破事件があったとのことで、ここ2、3日は大人しくしているようにとのお達しを受けています。ホテルのキッチン付きの部屋で、皆で簡単な料理作って過ごすことになっています。

 今回は、プロジェクトに参加する3大学すべてと関係省庁を回り、研究開始に必要な手続きを踏むための旅です。本来ならば、研究代表だけが参加すれば良いのですが、スムーズに研究開始つなげるためにも、もう少し議論したほうが良いことを詰めるために、参加研究者はみな同行しました。JSTとJICAからも数名ずつ参加してくださるため、今回は日本から総勢9名道連れの旅です。

 と、サラサラ書いてきましたが、単なる手続きを踏む、という以前の交渉ごとが山積みで、これからあと数日はこの状態が続きます。
 最後に、すべてのチリ側関係機関のサインをいただくまで、気をぬくことなく行こうと思います。

 ヘビーな話し合いが多い旅ではあるのですが、一方で、南北に長いチリという国のあちこちを回る旅でもあったため、砂漠・緑の沃野・雪を頂く山、そして綺麗な海、と、いろいろな風景に巡り会えました。
 この辺りは、帰国してから写真でご紹介できればと思います。
 

 
 

 

2017年8月25日金曜日

8月も終わり

 どうも、季節の移り変わりというのはタイトルに使いやすく、このタイトルも今ままで数回使った気がします。
 思ったよりも暑い日が続かなかったような気もする今年なのですが、しかし、早朝の空気の湿り気の多さは、ここ数年なかった気が・・・・。涼しくなるの、大歓迎!はやくこいこい秋の風、です。倉敷の残暑、長く厳しいので・・・。

 さて、暑さにもめげずに水面下で進行してきたチリプロジェクト。
 国境を越えた共同研究が、国内での研究プロジェクトとここまで違うとは。予想範囲内とはいえ、実際に手を動かして各種書類を作っていると、しみじみとそのおおごとさが身にしみてきます。

 プロジェクト採択以降、さらに細かいところを詰めて詰めて、第3回勉強会もやってきます。
 そろそろこの計画段階もクライマックス。
 計画書も、少しずつ目的の異なるバージョンを多数作ってきて、そろそろ何と何があったのかわからなくなってきた感じ・・・・・そして、当たり前といえば当たり前なのですが、国際共同研究ということは、終始日本語というわけにはまいりません。つまり、同じものを日本語・英語両バージョンで作らなければならず、さらに英語バージョンを翻訳したスペイン語も欲しい!となると、手間はン倍。とはいえ、プロジェクトでお世話になっている研究グループ以外の方々にかなりお世話になって、こちらも終わりが見えてきた感じ。

9月に入ったら早速三たび目のチリ訪問が予定されています。
 今回は、実際に行う研究について細かいツメの議論を行い、必要な書類にサインをし、実際の研究活動に移るための最後の山。。。のハズ。
 南半球への長旅も、だんだん勝手知ったる気分になってきました。荷造りも長旅対策も、やはり慣れは大切。またしても片道四十時間近い長い長いフライトを思うと、ううむ。。。。とはいえ、今回は、チリ北部の都市、アントファガスタを初めて訪ねます。今度こそ、細かい研究計画の話をしっかりしよう、と思うと、実はやっぱり楽しみだったり。
 わずらわしい手続きも、楽しい打ち合わせも一挙に済ませて、早いところ研究本番=お楽しみ部分突入!に持っていきたいものです。

2017年8月18日金曜日

仕事術あれこれ

先週のマイクロサバティカルの続きです。

 コースの内容とともに、出席者とのやりとりも、来てよかった!!と思った理由の一つ。
 今後の進路を真面目に考えている大学2年生に始まり、大学院生が最も多いのは予想通りだったのですが、それ以外にも臨床医・公務員・獣医・元物理学専攻某有名家電メーカー研究員に始まり、某国立研究所室長、とか、某私立大学教授とか、年齢層も二十歳そこそこから50代と広い上に、日本人は半分ぐらいでしょうか。このコース、講義と質疑応答は全て英語で、というコースだったのです。

 授業とハンズオン実習の他に、異なる感染病を課題として与えられ、それについてのモデルを作って質問に答え、最後にみんなで発表、という「グループワーク」というのがありました。
 このグループメンバーとのやりとりが、楽しいだけでなくしみじみと勉強になり、とっても良かったのです。

 どのグループもそのように振り分けられていたのですが、私たちのグループも、感染数理学専攻の大学院生・理論物理学専攻メーカー勤務・保健経済学(というのか?)Associate Professor・米国感染病コントロールセンター(CDC)スタッフ+私(生物学研究者)という、普通の生活ではなかなか同席するチャンスがない取り合わせ。
 香港人二人・米国人(でもご両親は日本人、ハワイ出身)・日本人二人、と言う組合わせ。で、話し合い取りまとめを、なんとなくCDCスタッフが取り持ってくれるのですが、話のまとめ方がとにかく上手。
 ホワイトボードに話し合いの要点を書き出していくのですが、いかにもハワイアンなちょっとのどかな話し方をしながら、肝にして要を得た箇条書きに、感心してしまいました。CDCの中でも、米国のどこかで、すわ、感染症が流行か?!と言うほんの初期情報を得て、現場に飛んで、その信ぴょう性を確かめながら必要な対策を練り、行動に移す、というのが彼の仕事なのだそうです。そういう事態が起こりがちなのは、米国も大都会ではなく、辺鄙な委任統治領とかなわけで、住民が不安な気持ちになっている場所に入り込んで、情報収集→事態収拾を図るのには、目的をしっかりもって、穏やかに信頼を勝ち得ていくことが不可欠なのだそうで。摩擦は起こすな、押し付けるな、でも、とにかくGoal-orientedに、という訓練を受けるのだそうで。
 いわゆる、強力なリーダーシップというのとは真逆のリーダーシップの手際や、間違いなく情報を共有するためのちょっとしたスキルは、すぐに身につくものではないものの、目にできただけでもいろいろ勉強になりました。

 元・理論物理専攻さんは、「英語は苦手なんですよ〜〜。数式で書いてくれるからわかるけど、英語だけだったら困ってましたね〜〜」となんでもなくおっしゃるのですが、n次元行列式と微分方程式とプログラミングにやられっぱなしだった私にしてみれば、「・・・それって、この講義がフランス語でもイタリア語でも理解出来ちゃうってことか?!」と、愕然。英語で説明していただいてもわからない数学のいろいろを、日本語で教えていただいて、や〜〜、やっぱりもうちょっと大学教養レベルの数学を勉強しなおしてみよう、と思いました。今更それを勉強してどうなる?!というのはもちろん大切な自問なのですが、興味があることならば、ま、目先の得に結びつかなくてもよし。
 また、次に勉強するとすれば、どのプログラミング言語だろう・・・と考えていたところを、実は元・理論物理専攻さんが作成されたPhython速習コースをお持ちだということで、これは、と、受講登録してしまいました。こういう、ちょっとした耳より情報というのが、外を歩いた時に得られる大切な栄養ですよね。

 保健経済学Associate Professorは、香港大学で博士号を取る間に、Oxfordに留学しており、その後帰国して中国本土の大学でAssociate Professorの職を得るとともに、現在Harvardで修士を習得するべく勉強中。プラス、日本にもクロスアポイントメントの職があるそうなのですが、、、、見た目30歳ぐらい??
 この分野は、どうも、ご本人の数学のセンスでかなりの部分が決まるのか、若くして大きな仕事をする人が多い分野なようです。現在の仕事の話を伺うと、ニコニコ楽しそうなのですが、おっしゃることは野心的・・・いるんだなあ、こんな人。。。。
 
 そして、感染数理学専攻大学院生。彼は、主催者グループに所属する大学院生なのですが、やっぱりこのトピックに対する理解が深く、一人落ちこぼれかけていた私はかなりフォローしてもらいました。よーく考えて、考えていることを『全員にわかるように』言葉に出してならべていくのが印象的。

 限られた時間の中での課題解決だったわけですが、CDCスタイルの情報共有術+元・理論物理専攻さんの数学センス+保健経済学Associate Professorのワクチン接種とコスト問題への見解+感染数理学大学院生の、この分野特有の考え方のインプット+それでもなんとなく理屈が通らない点に素朴な疑問提供による議論促進(私です。苦笑)→解決(みんなで。笑)で結構綺麗にまとまった発表になりました。
 最後に5人で写真を撮ったりして。ちょっと忘れたくない、貴重な体験でした。

 
 

2017年8月10日木曜日

大人の夏休み、改め....

 やってまいりました、修行道場、改め、Summer boot camp of infectious disease modeling, 2017@統計数理研究所、立川、東京都
 
 10日間の感染数理モデリング短期集中講座です。特に感染数理モデリングに関わりたい初学者に焦点を絞ったコース。数理生物学的モデリングとか、シミュレーションとか、実は学生の頃からの漠然とした憧れがありまして。とはいえ、自分で教科書読んでみたけど、いまひとつわからないし・・・。なんとか勉強したいけど、どうも私には独学は無理らしい。なんとかしたいな .... と思っておりました。 
 2年ほど前に、調べ物をしていて見つけたこの短期コース。理論とともに、 Rなども使った実践講座もあるとのことで、一度受けてみたい!と思い、実は去年受講手続きまでしたものの、仕事の都合でギブアップ(ゴメンなさい‼︎)。今年雪辱を果たしました。

 予習しないとついていけないだろうと、実は去年の受講に向けて一昨年からぼちぼち予習を始め・・・・大学教養レベルの微分・積分、線形代数、確率・統計ときたのですが、全ては終わらず・・・・、直前になって、あ〜あ、結局全部は終わらなかったし、そもそも一昨年ぐらいに勉強した部分は結構忘れちゃってるし。10日間もあるのに、結局ついていけなかったら、悲しい・・・・などとうじうじ思い煩いながら向かったのですが。

 いやはや、行ってよかったです。10日間、みっちり総数40講義に加えてPCを使った実習に加えて、参加者を8グループに分けて、チームでそれぞれ違った課題に取り組むグループワーク。公式には朝9時からほとんどの日は夕方5時半まで、長い日は18:45まで、というぎっちりなスケジュール。
 まだまだわからないことだらけながら、微分方程式と行列式を解いて出てきた式のパラメータをちょっといじるだけで、ガラッと感染者数が変わったりするのは、単純に興奮します。興奮するタイプだからこそ受けたかった講習なわけで、つまりは堪能したわけですね。
 自分たちの研究にすぐに役立てることができるかは別として、有給+夏休みをつぎ込んで、朝から晩まで、自分が訓練を受けてきたものとは全く異なる思考様式にどっぷりつかることができたのは、本当に贅沢でした。これを糸口に、何と何を少しずつ勉強したいかもメドがついたような気がしています。

 ところで。
 興味はあるけど、そもそも役に立つかどうかもわからないことに大の社会人が10日も使うって、我ながら何なのだろう?⁇と何だか気後れしていたのですが。コース初日終わりぐらいに仕事関係のメールで連絡を取り合っていた尊敬する同僚に、「下手の横好きで感染数理学入門コースに来てるのですが。何やってんだろう感満載です〜」と書き送ったところ、「タイミング的にもサバティカルで新しいことを学んでいると思えばぴったりなのでは」というお言葉をいただきました。
 サバティカル、というのは、欧米の多くの国で特に教育・研究職に伝統的に認められている、長期有給休暇と言えば良いでしょうか?だいたい7年間に1年間ぐらいの割合で、本来の所属機関から離れて、別の大学だの研究機関だの(別の国でももちろん OK )で色々勉強するために認められているリフレッシュ制度のこと。私も今のポジションに6年いたわけで、これが欧米ならば半年から1年のサバティカルが認められる時期。それを自主的に取ったと思えば、ということですね。
 強力な講師陣・400ページある教材・老若男女の高スペック受講者に囲まれて、気後れてしていた私は、おお!その手があった!!と一挙に元気になりました。
 実際、このコースのお題だった数理感染モデリングだけではなくて、ディスカッションのまとめ方、とか、プレゼンテーションの仕方、とか、いわば仕事術的な部分でもずいぶん勉強になりました。
 というわけで、そう、この10日間は、大人の夏休み、改め、マイクロ・サバティカルだったのだ!と、すっきり。そう考えて、7年目の今年は、着任6年間に学んだことをかっちりまとめて、また新しいことを吸収するのに使う一年にしようかな、なんて思い始めています。
 
   

 

2017年7月30日日曜日

夏休み中。。。

 毎週更新を心がけているのですが、スポッと一回お休みしてしまいました。
 チリプロジェクトがらみで多方面とお目にかかり情報交換やすり合わせが続いています。
 こういう形の大きなプロジェクトに関わると、こういう仕事が必要になってくるのね、ということがよくわかるとともに、申請書を出して、審査の末に、採択されれば4月1日の結果発表とともに、よーい、どん、で研究を始められる科研費というシステムのありがたさが身にしみています。
 
 なんていう一方で、ちょっと変わった業務(?)として、チリ大使館にお邪魔して、在日チリ大使に直接プロジェクトの計画・意義・展望などなどをご説明するという機会を経験しました。
 大使館、といっても、ビル2階分を借り切った形の大使館で、例えば在日米大使館などとはちょっと感じが違っています。大使(は、肩書き?敬称?は「閣下」なのですね?!)に直接お話しするなんて、一生のうちにそんなにある経験でもないですよね。実は、今年はチリ・日本間の国交開始120周年。チリにおける赤潮のインパクトの大きさとも相まって、こういう機会に恵まれたわけです。

 去年の今頃には考えてもいなかった展開なのですが、一方で、地道に積みあげる研究に落ち着いて取り組まなければ。。。。。と、そちらはちょっと焦り気味。あれやらなきゃ、これも、と頭の中がわたわたしているのですが、実は、いきなり強制中断。

 来週から10日間、前から申し込んであった「修行の旅」に出てまいります。

 今、こういうことをしている場合なのか?とも思うのですが、一方で、10日連続で有給をとって、役に立つかもわからないけどやってみたいことに時間を割けるなんて、この夏が最後かも、という気も・・・・。

 あぁぁ、また、若くて優秀な人に囲まれて、新しいことを覚える力衰え気味の私は、肩身がせまい思いをするんだろうなぁぁぁ。と、自分で申し込んでおきながら、今から気後れ・うじうじしています。
 唯一うれしいのは、目的地が岡山よりも2、3°C気温が低いこと。
 避暑と思って、行ってまいります。