2017年6月30日金曜日

第2回 チリ訪問

 無事に帰ってまいりました。
 たくさん写真を撮って美味しいものも食べて....と言ってみたいところですが、チリは今冬、しかもどこも記録的な寒さで、雨は降るし風は吹くし、低く雲が垂れ込めた戸外はあまり写真を撮る気がせず....。しかも、朝から晩までぎちぎちぎっちり詰め込んだ日程で、今まで体験した海外出張で一番のハードスケジュールでした(一度だけいただく機会があったウニは飛び切りおいしかったです♡旬なんですね)。

 しかし、というより、おかげで、とても充実した旅でした!
 5泊9日の旅で3都市を周り、全部で13機関を回って、プロジェクトのご説明と議論に勤しみました。
 このプロジェクトは、チリで近年大規模化・頻発している赤潮をモニタリングしましょう、というもの。尋ねた相手機関は、チリ政府機関、NGO研究所、企業組合が運営している研究所、養殖場、プランクトンモニタリングを行う民間コンサルタントなどなど。
 なんと、11箇所(2箇所は日本語、9箇所は英語)でプレゼンした....笑。
 プレゼン好きでも上手でもないのに、最後の方は、自分でも上達したのがよくわかり、いやはや、発表には練習が一番というのが身にしみました。練習すれば上達するってことは、下手なプレゼン=準備怠けました!と言っていると同然なわけで、今後は下手なプレゼンの言い訳ができないですね....。

 チリはスペイン語圏、というわけでJICAにご手配いただいた英西同時通訳者にご同行いただき、自分の英語を同時通訳していただくのも初めて。照れますね(違。
 同時通訳者って、初めてお目にかかってお仕事ぶりを間近に拝見したのですが、いくらプロとはいえ、ここまで上手な方はなかなかいらっしゃらないのでは、と思うような滑らかな通訳。すごい。ステキ。私もスペイン語できるようになりたい。笑

 大変ありがたかったのは、私たちが提案したプロジェクトに、みなさんとても興味を示してくださり、前向きに対応してくださったこと。過去のデータの共有とか、今後の連携の取り方とか、どこをお尋ねしても、おもしろいね、こっちができることはするよ、なんとかできるといいね、という対応に、正味5日の旅路の最初から最後までうっすら感激していました。
 そういう形になったのは、旅を計画してくださったJICAと、これからご一緒に5年間研究を進めていく3名のチリ側研究者がご参加・ご同行くださったからこそ。JICAメンバー3名、日本企業からの参加者1名、チリ人研究者3名および日本人研究者3名、ぞろぞろ一緒に巡ったわけですが、ハードスケジュールながら初めてなことが多く、長い旅程におしゃべりもたくさんできて、忙しいながら面白い旅でした。
サンチアゴ空港の待合室より。アンデスがパノラマで見える窓が、汚れていて
残念!7時間も待ち時間があった私たちは、「窓ガラスふきボランティアしちゃ
う?」などとふざけていました。

  仕事以外では、南米西海岸にいれば当然なのですが、まず、行き旅程 最後のトランジット地点、サンチアゴ空港で、目の前に立ちはだかるアンデス山脈に感動。そして、珍しく星が見えた夜、南十字星を教えてもらい、それにも感動。私生活で南米に来ることなんて、たぶん一生なかったことを考えると、『職』というものは、本当に人を呆然とするぐらい遠くに連れてきてくれるものですね。

 とはいえ、行きは47時間、帰りは40時間の空の旅は長い。本当に長い....。手に入る中で一番強力な着圧ソックス(足がむくまない)、マスク&のどぬーる(機内で喉がカラカラになるのを防ぐ)、締め付けない楽な服、旅行用枕(首回りにはめたり巻いたりするタイプの)、航空機内寒さ対策および可能ならばトランジットの空港でラウンジを使えるように、は必須です。あ、もちろん私たちはbudget travelers 、全旅程エコノミーで飛ぶのです(笑涙。
 実は9月にもチリ訪問の予定が....小道具駆使して、長旅上手にならなければ、です。

 


 

2017年6月16日金曜日

梅雨に入って、再びチリへ

 梅雨入りしたとおもったら、からりとして素敵な天気が続く倉敷です。

 さて、来週は、先日採択された研究プロジェクト@チリに必要な下調べ・顔合わせに、再びチリへ出発します。梅雨入りしてこれからは湿気の多くなるであろう日本を脱出できるのは嬉しいのですが、あちらは冬。結構寒いらしく、今になって、クリーニングした冬コートだの、セーターだのを引っ張り出してみています。今度は行って帰って足かけ9日、正味五日の間に研究の拠点となるテムコだけでなく、フィールドであるプエルトモンにも足を伸ばす強行軍。研究チームの3名に加え、研究プロジェクトでお世話になるJICA担当官と、フィールドとなる海域のステークホルダーである某社関係者もご同行くださるという、大所帯移動。海外出張といえば常に一人旅、一人で行動、ご飯も一人、が普通だった私としては、この間の南米行きといい、今回といい、その辺りも物珍しい気分です。

 プエルトモンは、実は観光地としても名高い土地で、最初のミーティングが行われるテムコからは4時間ぐらいかけて車で移動だそうです。陸路は時間がかかるというものの、景色を楽しめるのは嬉しいですね。性能の良いカメラ持参で行ってきます。

 今から下準備をして、来年度から始まる五年間のプロジェクト、関係者としっかり意見交換して実り多いものにできるよう努めます。緊張感はあるものの、考えてみたら、自分で住んでいる以外の国で研究活動をする、というのは初めての経験。わからないことたくさんですが、新しい経験は、なんでもわくわくですね♪

*****日本時間来週金曜日は機中におりますためお休みさせていただきます。無事帰ってきましたら旅のご報告をさせていただきます。*****

2017年6月9日金曜日

『勉強会』

 勉強会、という言葉を聞くと、私の頭に浮かんでしまうのは、高校生の時に、試験前に友人たちとやっていた試験対策勉強会。おかしたべたべ、試験対策。

 試験対策って、高校生の時にはかなり悲壮感が漂っていましたが、今から考えたら楽しいものでした。

 今回の勉強会、は、例のチリプロジェクト向けのもの。 
 なんと、申請が通ったはずのプロジェクトのタイトルのつけ直しから始まり、半日とはいえ、かなり密に話し合いをして、ちょっとヘトヘト。細かい文言の訂正や、計画の練直しの必要性のチェック、そして今後の行動予定。
 あっという間に次のミーティング二回と、次のチリ訪問二回の計画がたって行きます。今までは、申請者、つまり、仲間内での議論だったのですが、これからは必ず外部からの評価をしてくださる方数人を含めての議論や行動になるわけで、今までとは違う・・・。
 次のチリ訪問時には、チリの政府や地方自治体関連の機関とのミーティングまで入っており、研究者同士のやりとりとは結構違う雰囲気。そもそも、海外出張にスーツ持っていくなんて、実は初めてなのですが。スーツ持っていくってことは、靴も持っていくのか、などと、まともな社会人だったら当たり前のことに今さら驚いています。

  戸惑うこともありますが、プロジェクトに参加してくださる研究員や事務補佐員の公募をかけたりなど、新鮮なこといっぱい。研究仲間が増える日を夢見て、下準備ミーティング&チリ訪問、頑張ります。

 

2017年6月2日金曜日

6月です!

 気ぜわしい日が続いています。
 先日ご報告した、チリで始まるプロジェクトがらみで、やりとりいろいろ。準備もいろいろ。これまでは、単一組織として研究をする、外部の研究者と一対一で共同研究をする、というやり方できたのですが、今回は、国内3組織、チリも3組織、やりとりもつねに複数と。
 ほんと、些細なことでも新鮮な経験です。
 大きなプロジェクトというのは、予算も多額ですが、それに対する査定もシビア。実は、現在は、まだ研究開始前の暫定期間なのですが、プロジェクト申請の折に作成した計画書にかなり細かく添削をいただいて、それに対してお答えを返すという作業がありました。
 いってみれば、論文の査読のような感じ。
 通った申請書に、さらに査読があるわけで、これも驚いたことの一つです。
 リバイスした申請書を挟んで、さらにこのプロジェクトに関係する期間であるJST/JICAからのアドバイザーにご意見をいただき、ブラッシュアップして、それをもって相手国との間に必要な提携手続きを完了して、、、、と、実際に研究に進めるまでにはまだまだステップがあります。
 大きいプロジェクトには大きい責任も伴うわけで、なるほど・・・・といったところ。良い経験をさせていただいております。

 という一方で、少しは手を動かして実験しようとDNA抽出。今までなんどもやってきた実験なのですが、なぜか失敗続き。全く何も取れてこない!
 実験がうまくいかないのはがっくりですが、気を取り直して、手元にあるRNAseqデータを角度を変えて解析し直そうといつも使わせていただいているサーバーにログイン。
 jobを投げて、帰宅しました。
 で、次の日に見てみると。なんと、まだ始まっていない!私が投げたjobは、12時間経っても、24時間経っても、お行儀よく列に並んで順番を待っているのです。試しに数えてみたら、私の前に400個のjobが待っている・・・・。
 
 今週は、頑張っても、いまひとつ前に進んでいかない巡り合わせのようです。
 こんなこともあるんですね〜〜。

 ちょっと脱力気味だったのですが、そこに始めたばかりの共同研究先から連絡が。あちらで手をつけていただいている実験について。うまくいった!というお話ではないのですが、でも、新しく始めた仕事の話を伺えるのは、それだけで楽しいものです。午後後半になって、ちょっと気分が上向いてしまいました。

 なんて言っているうちに、6月です。実は今月はイベント目白押し・・・。新しい実験や解析に手をつけるよりも、まずはそちらの準備をしたほうが効率が良さそうですw