2017年9月17日日曜日

さて、帰国

 12日間のチリ滞在を終え、現在帰国途中、ロサンゼルスにおります。

 今回の旅の目的は、二国間の共同研究を含む共同研究プロジェクトを行うために、必要な連携機関に協力を依頼し、日本側も含めた各機関の役割分担を定義し、協力内容について合意を取り付け、最後にそれらを明確に文書に落とし込んだものにサインをいただく、というもの。今まで基礎科学研究にしか経験がない私たちには全くなじみのないものでした。同行者も、共同研究を行う日本側研究者3名だけではなく、JSTより2名、JICAより3名、JICAから依頼されたコンサルタントが1名、プラス研究者4名。

 誠に大変色々勉強になった旅でした。。。。

 このプロジェクト、採択されるまでの流れはびっくりするほど順調だったのです。行く先にあるドアというドアが、把手に手をかけるかかけないかのタイミングで、ぱたん、と向こうに開いてくれる感じ。なんでこんなにパタパタと上手くいくのか気味が悪い……、あ、これが人生に時たま吹くと噂に聞く『追い風』というやつね?と、納得いくまでに時間がかかりました。苦労人だもので。笑

 幸運に重なる幸運に感謝しつつ、しまいには他愛もなく『無敵』な気分になり始めていたのですが、このチリ出張=詳細策定調査の直前にチリ側でいくつもの展開があり。私たち研究者チームは、その展開の重要性もよく理解できないまま、のほほんと構えていたのですが、このテの手続きを扱うプロであるJICAとJSTの担当者皆さまは、「本当にまとまるのか?」と、ご心配くださっていたそうです。

 確かに、一山超えた、と思いきや、え、上り坂、続くの?え、まだ上り坂??という、最初から分かっていたら腰が砕けたような紆余曲折を経て、最終的にはチリ側参加機関の皆様のご承認をいただき、無事、調印式にこぎつけました。

 詳しい経過は、これを経験した本人たちにしか面白くないような長い話になりますので、割愛。
 しかし、この旅をご一緒し、何から何までお世話になった皆様については、やはりここに書き残しておきたい気がします。

 まず、旅の予定を立てる段階から、旅の途中の変更に次ぐ変更を織り込んだ書類作成改訂を一手に引き受けてくださったJICA Yさん。連日の方針決定のためのミーティング後、私たちがご飯を食べてリラックスしている時間にも、彼女は書類作成や改訂、諸機関との連絡に大忙し。調印式ですべての機関の代表者からサインをいただく最後の最後まで気の抜けない激務は側から見ていても頭が下がりました。本当に有難うございました。
 また、これまでの経験を生かして、常に淡々と穏やかに、的確に議論をリードをしてくださった同じくJICA Iさん。という表の顔からはちょっと想像がつかないお茶目なところがバレちゃったりするところは、道連れの多い長旅ならでは、です。
 6月のチリ訪問時からいろいろお世話になっているJICA Sさん。実は、彼女とSさんには、私たちが理解できていないところで、多大なご迷惑もおかけしていたということがこの旅の間に判明し、申し訳なさに冷や汗でした。とはいえ、朝ごはんを食べながらのいろいろなトピックでのおしゃべりが楽しかった。一足先に帰国された時には、ちょっと寂しかったです......

 JSTからは、A先生とKさん。A先生の長年の国際協力のご経験に基づく的確なご助言と、穏やかに明るく皆の気持ちを引き上げてくださるお人柄には、皆感服していました。A先生がいらっしゃらなかったら、今回の話はまとまらなかったと思います。そして、いつも明るいKさん。チリでの冬は雨が多く、降らずとも曇り空が多かったのですが、漁業の盛んなチロエ島に視察に行く時に晴れたのは、『後から申告晴れ男』の彼のおかげです。笑 冗談はさておき、A先生とKさんは、国際共同研究のセットアップ部分である調査に多くの経験がおありで、いろいろなお話を伺えたのは本当に勉強になりました。Kさんには、今後、研究開始までの「詰め」段階でさらにお世話になります。どうぞよろしくお願いします。

 そして、異色のキャラ、JICAより依頼されて同行してくださった、コンサルタントのTさん。世界の国歌マニアだそうで、異なる言語間比較ネタからスポーツネタまで、な、なんでそんな情報がスラスラ出てくるの?という引き出しの多さと、造詣の深さは特筆ものです。

 最後に、フツーに大学教員していたら、多分一生お世話になることもなかった、通訳のお二人。英語・スペイン語通訳のDさんは、彼自身の美学を感じさせる徹底した縁の下の力もち振りと、スムーズでわかりやすい通訳のワザとで、同行者皆の賞賛の的でした。また、最後の3日間だけお世話になった日本語・スペイン語の通訳のKさん。16歳にして通訳業についたという彼女、信頼を置かずにいられない、スムーズかつ的確な通訳振りもさることながら、幼い頃から、自分の道を進んできたパワーと、明るいながら求道的な真摯さに脱帽でした。お昼ご飯を食べながらのおしゃべりが、とても印象に残っています。

 研究者チームは、このプロジェクトのFounding members3名+研究代表と連携して、このプロジェクト開始時からチリ入りする若い研究者一名。研究者チームのキャラについては。。。。。やはりカラフルなチリ側研究者の皆さんも含めて、今後、このプロジェクトについて書くことが増えるにつれて、だんだん浮き彫りになっていくのをご期待ください。笑

 ご一緒した皆さま、本当に有難うございました。
 どうぞ、このプロジェクト、終わりまで見守っていてください。
 また日本でお目にかかれって、進捗をご報告できますことを楽しみにしています。 
 
 

 
  

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